2005/04/29

[め]で始まる語句・ことわざ

名家に二代なしめいかににだいなし):【意味】才能のある人(家臣)にはなかなかふさわしい後継者がいないので、名家と言われる家も二代続けて栄えることは困難であるということ。(講談・相馬大作)

名玉も泥中にあれば石塊同然めいぎょくもでいちゅうにあればいしころどうぜん):【意味】(同義)→たとい千里を行く名馬なりとも、これを見出す伯楽なければ、終生駑馬で終わらねばならぬに同じ。(講談・男くらべ)

明君の下に愚臣なしめいくんのもとにぐしんなし):【意味】聡明な殿様に仕えている家来に愚かな者はいない、という諺。「名将の下に~」とも。あるいは「名君の下に愚人なし」(落語・嵩谷)とも。(講談・寛永御前試合、落語・目黒のさんま)(参考)→勇将の下に弱卒なし

名月や浅黄に銀の一つ紋めいげつやあさぎにぎんのひとつもん):【意味】夜空にかかった満月の美しさを例えた表現。(講談・天保水滸伝)

名月や池をめぐりて夜もすがらめいげつやいけをめぐりてよもすがら):【意味】松尾芭蕉(一六四四~一六九四)の句。一人草庵で池に映る仲秋の名月に興じるさまを描写した、有名な句である。(講談・岩見重太郎)

名月や畳の上に松の影めいげつやたたみのうえにまつのかげ):【意味】宝井(榎本・宝晋斎)其角(一六六一~一七○七)の句。仲秋の名月を眺めていて、その光が座敷にさし込み、松の影をくっきりと畳に落としている様子を描いたもの。(講談・岩見重太郎、落語・風呂敷)

名人上手は仕事を嫌がるめいじんじょうずはしごとをいやがる):【意味】(同義)→いい職人はおいそれと仕事をしないとかく仕事の良い奴は怠ける技のできる人に限って怠けるを見よ。(講談・昆寛狐の由来)

名人と上手には天地ほどの差があるめいじんとじょうずにはてんちほどのさがある):【意味】単にある技芸に秀でた人と、「名人」とまで言われる人との間には、凡人の想像以上に大きな差が存在するのだ、ということ。(講談・寛永三馬術)

名人は国の宝めいじんはくにのたから):【意味】どのようなジャンルであれ、名人上手と言われるような人物は国にとっての財産でさえあるのだ、ということ。だから大切にしなければならない。(講談・柳生二蓋笠)

名人は上手の坂を(上を)一登りめいじんはじょうずのさかを:うえを:ひとのぼり)【意味】(参照)→名人と上手には、相当の差がある。「名人」と言われるような人は、「上手」というような領域をさらに越えた領域にあるものである、というような意味の川柳。(講談・浜野矩随、落語・竹の水仙、梅の春、嵩谷)

冥途黄泉の客めいどこうせんのきゃく):【意味】死んで「よみの国」へ行く人のこと。(講談・紀伊国屋文左衛門、山中鹿之助)

命は食にありめいはしょくにあり):【意味】人の命は食べ物によって保たれている、という意味の諺。従って暴飲暴食は慎むべきである。(講談・梁川庄八、落語・そば清)

名馬ほど火を恐れるめいばほどひをおそれる):【意味】孔子の留守中、その厩から火事が出て、乗馬である白い馬が焼け死ぬ。家来たちはこの馬を引っ張って出そうとしたのだが、馬は火を恐れたか全く動かなかった。帰宅した孔子は、愛馬のことは何一つ尋ねず、家の者に怪我がなかったかを尋ねた、という落語「厩火事」に出てくる逸話にある諺。(落語・厩火事)

名物にうまいものなしめいぶつにうまいものなし):【意味】その土地の名産品として喧伝されているものに限って、うまいものというのはない、というシニカルな経験則。(講談・水戸黄門)(参照)→空腹にまずいものなし腹の減ったときにまずいものなし

迷惑な顔は祭りで牛ばかりめいわくなかおはまつりでうしばかり):【意味】祭りの練りものや行列に参加する人々は実に楽しげだが、迷惑そうなのは山車などをひかされる牛ばかりである、という川柳。(落語・百川)

夫婦になってみれば亭主のものは女房のもの、女房の物は亭主のものめおとになってみればていしゅのものはにょうぼうのもの、にょうぼうのものはていしゅのもの):【意味】夫婦になれば互いに資産や情報は共有するものである。それが嫌なら結婚などしない方がましである。(落語・転宅)

目が覚めてみれば眠った親の恩めがさめてみればねむったおやのおん):【意味】今更のようにまともに立ち返って考えてみれば、死んだ親の恩はありがたいものだった、と気づくのが人間というものだ(だからせめて親の供養くらいはちゃんとしろ)、という教訓を含んだ川柳。(講談・清水次郎長)

目から鼻へ抜けるめからはなへぬける):【意味】利発である、機知に富んでいる、大人顔負けに気が利く子供の形容。(講談・祐天上人、笹野名槍伝、太閤記、野狐三次、水戸黄門・出世の高松、加賀騒動、落語・妾馬、代脈、大仏餅、鹿政談)

目腐れ金めくされがね):【意味】少々の金(をバカにしてこのように言う)。(講談・旗本五人男、落語・土橋萬歳)

目くじらを立てるめくじらをたてる):【意味】目くじらは目の端のこと。人のあらを細かく探して咎め立てすること。(落語・子別れ)

飯では済まぬ物の扱いめしではすまぬもののあつかい):【意味】トラブルの仲裁、手打ちの場には酒が必須であり、これが飯では役に立たないということ。(落語・備前徳利)

飯一口話一口旅がえりめしひとくちはなしひとくちたびがえり):【意味】長い旅から帰ってきて、家で久々に再会した家族と飯を食いながら旅の様子を話す人のありさまを描写した句。飯を食うのももどかしく喋っている。(講談・三家三勇士)

飯盛りも陣屋くらいは傾けるめしもりもじんやくらいはかたむける):【意味】高級な遊女を「傾城」という(美女がその色香で国や城を傾け、亡ぼすことに由来する)が、宿場の飯盛り女だって馬鹿にしたもんじゃない、陣屋くらいは傾けることができるよ、という意味の川柳。(落語・唐茄子屋)

目に一丁字もないめにいっていじもない):【意味】全くの文盲であること。(落語・らくだ)

目には目を、歯には歯をめにはめを、はにははを):【意味】自分が受けた被害を加害者にも与えて仕返しすること。(落語・紀州飛脚)

目のある(寄る)ところへ玉が寄るめのあるところへたまがよる):【意味】同類が自然に寄り集まること。(講談・伊賀の水月、伊達誠忠録、笹野名槍伝、左甚五郎、渋川伴五郎、寛永御前試合、西郷南洲)(同義)→眼の寄るところへ玉(講談・本所五人男、関東七人男、落語・らくだ、永代橋、乳房榎)(類義)→(同気相求め)同病相憐れむ類は友をもって集まる

目の上の瘤めのうえのこぶ):【意味】自分より地位や実力があって、出世などのためには何かと邪魔な存在のこと。(講談・関東七人男)《い》

目の正月めのしょうがつ):上方語。したがって発音は「めぇのしょうがつ」というのが本来。綺麗なもの、珍しいものを見たとき、喜んでこのように言う。(落語・質屋庫)

目の中に入れても痛くないめのなかにいれてもいたくない):【意味】子供などを非常にかわいがること。(講談・面割狂言)

目は鈴を張ったようめはすずをはったよう):【意味】女性のつぶらできれいな目を形容してこのようにいう。(講談・梁川庄八、落語・八百屋お七)(参照)→女の目には鈴を張れ

目は人間の眼めはにんげんのまなこ):【意味】目は顔のうちでもっとも肝心なパーツである。人の柄をもっともよく表すものである、の意。(落語・義眼)

目曳き袖曳きめひきそでひき):【意味】声には出さず、目で合図したり、袖を引っ張ったりして、こっそり意志を伝えること。(講談・梁川庄八、天保六花撰)

目を掩いて雀を捕え、耳を塞ぎて鐘を盗むめをおおいてすずめをとらえ、みみをふさぎてかねをぬすむ):【意味】原文では「~つりがねを盗む」。ともに小手先の策を弄すること、自分の欠点に目をつぶって無謀な事を行う愚かさをいう。自分の姿を見ると雀が逃げるので、自分自身を見ないように目隠しをして雀に近寄り、大きな鐘を盗もうとした男が、鐘を割って運搬しようとして大きな音を立ててしまったので、あわてて自分の耳を押さえたという故事にちなむ。(講談・慶安太平記)

免許を取るより度胸を取れめんきょをとるよりどきょうをとれ):【意味】職人などは、自分の技術を誰かに保証されて小成に甘んじるよりも、ここ一番大きな仕事を思い切ってやってみるという度胸がなければ成長できない、という教訓。(講談・横谷珉貞)

牝鶏が晨するときはその家亡ぶめんどりがときするときはそのいえほろぶ):【意味】一家の主人というものがいながら、女房がさしでがましいことを言ったりしたりすると、その家の行く末はおぼつかない、という古典的な警句。(講談・野狐三次)

牝鶏すすめて牡鶏ときをつくるめんどりすすめておんどりときをつくる):【意味】夫が妻の(ともすれば感情的で浅薄な)意見によって易々とコントロールされてしまう様子をいう。(講談・阿武松緑之助、両越大評定、塚原ト伝、小猿七之助、西郷南洲、落語・湯屋番、お七、氏子中、髪結新三、阿武松、立波、素人占い=きめんさん)

編:松井高志・2004-

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